というわけで、やっと読み終わりました『強い会社は社員が偉い 社員様第一経営のススメ』 (NB Online book)。
電車乗ってる時間があまり長くないし、ケータイいじってることも多いから、なんか1冊読むのに時間かかるのよね。
日経ビジネスオンラインの「野々村人事部長の歳時記」という連載を持っていた、人材育成支援コンサルタントである著者が、人事の仕組みと人材育成について書いてる本。
要点とすると、
- 大規模な設備投資が必要な「産業資本主義」から、必ずしも大量の事業資金を必要としない「知的資本主義」へとうつるにつれ、資本供給する株主よりも、知恵や技を持った人(つまり社員の頭脳)の方が重要であるので、社員が大事である。
- 大量生産/大量販売から、顧客一人一人を喜ばせ、感動させることが大事になってきている。そのため、社員一人一人が価値を創造することが、永続的な繁栄のためには欠かせない。
Webやクリエイティブの業界って、まさに、クリエイティブクラスというか、知的資本なので、内容的にかなり取っつきやすい。
これは業界問わずだと思うけど、評価制度の妥当性への疑問や新制度移行の障壁の問題って、必ずあると思う。
昇進基準が曖昧に見えて、人事制度を信頼してもらえないとかさ。
で、この本読んでて、「そうだよね」って思ったのが、
- キャリアはポストや部署ではなく、必要な経験で示す必要がある
たとえば、マーチャンダイザーになりたい、という人がいる場合、マーチャンダイザーのキャリアには「店舗勤務」が要件なのではなく、「店頭の商品在庫をきちんと管理した経験」が必要だ、と説明できるかどうか。在庫管理経験を別のポストで積んでいれば、必ずしも店舗勤務でなくてもいいわけだし、不本意に店舗勤務することになっても、どういうスキルを身につけておかないといけないかが、明確。
ここ最近、採用関連のことをやったりして、色々なレジュメを見て来た。まぁ、前職とかでもやってたんだけど、条件や応募基準に「Webディレクター歴3年以上」とか書いても、フィルターになるほどの絶対値にならないんだよね。どういうタイプ/規模の会社で、どれぐらいのプロジェクトをやってたかによって全然違うから。
で、さらに難しいのが、Webのプロジェクトって、1つとして同じものって基本ないから、予算規模とプロジェクトメンバー規模が仮に同じだとしても、難易度も同じとは限らないということで、結局は、統一できる基準がないってことなんだよね。ものすごいいっぱい変数があって。
まー、Webに限らないだろうし、当たり前といえば当たり前だけど。むずっ・・・。
あ、あと、本質ではないんだけど、「人事評価には色々なタイプがあり、どの制度を選ぶかによって、会社や経営者の価値観を伝えることになる」というようなくだりは、まるでEIAみたいね、とちょっと思った。
なんとなく、私的にはタイムリーな本でした。
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投稿情報: blackmanos | 2009/04/06 15:05