私同様にIAに関心を持っている方は多いと思います。
気にかけはじめると、Webや雑誌上にIA関連の記事が多いことに気づくのですが、意外とそこにたどり着くまでが(?)遠かったりします。
こんなにいっぱい記事や情報があるのに、なぜ気づかなかったのだ?と、とても不思議に思うくらいなのですが、そういうもんなんです。
私も、90年代からワイヤーっぽいものを書いていたし、2002年頃からは本格的にサイトマップとか、画面遷移仕様書とか、画面ストラクチャ(要はワイヤー)とか、API要求仕様書とか、ある大企業が持っているそれぞれが大規模というレベルの複数サイトの役割と関係性を表すような設計図とか、アプリケーションの機能・動作仕様書とか、そんなものを作っていました。2002年といえば、別にWeb黎明期でもなく、Web構築プロセスもそれなりに確立されてきていた時期であるはずなのに、お恥ずかしい話、私は上記のような資料を全くの手探りで独自で作っていたのです。
当時、私がいた環境ではWebの構築プロセスをちゃんと分かっている人がいなくて、ビジュアルデザイナーが勝手に絵を作ったはいいけど、システム的な制約で実装できないと分かるとか、SE主導でコトが進みエンドユーザーのことが全く考慮されていない代物ができあがるということが普通に起きていました。
私はグラフィックデザイナーでもなく、SEでもなく、コンテンツプランナー(?)みたいな立ち位置だったのですが、こちらの意図をデザイナーに伝えようにも文字だけの企画書だけではうまく汲み取ってもらえない、またデザイナーのデザインをSEにそのまま渡すと、各機能の振る舞いをSEが独自の判断で設計され、それがPGに渡ると最終的には、当初企画したものと全く違うものが出来てしまう。実際は、デザインレビューや設計レビューを中間に入れることで、最後の最後まで、へんてこ仕様に気づかないままリリースされるということはもちろんないのですが・・・
それにしてもそういうリスクを減らすため、「企画」と「デザイン」、「デザイン」と「システム設計」をつなぐために何らか翻訳作業が必要、そのためにサイトマップやワイヤーやフロー図のようなものが絶対に必要だ!と私は信じていて、実践していましたが、最初は上司にも理解してもらえず、作成禁止命令が出されるほどでした。
昔話をするときりがないのでこの辺でやめますが、これら設計フェーズと関連ドキュメントは、まずSEの方からの理解が得られ、信頼につながって最終的には、数年後、別の超大規模プロジェクトの時には上司の方から作って欲しいと言われるまでになりました。「ついにやっと分かってくれたか!」と思ったくらいで、この段階になっても私はこの設計フェーズが一般的なプロセスであることを知らなかったのです。あー、恥ずかしい。。
それが数年後、「あー、これって、ワイヤーフレームって呼ばれてるんだ。私だけじゃなくて、他の人も作ってるものなんだ」と知った、みたいな。
私がいた環境が特殊だったこともあるかもしれないし、ほんとに、日々生きているのが不思議、というようなサイボーグな生活をしていたので、本屋さんに行くとか、ネットサーフィンするとか、アマゾンで本買うとか、けっこうそんな余裕もないというか。。いや、それにしたって、どんな生活してたら、そんな鎖国状態になれるんだ?と、今だったら思うのですが・・・。
IAという言葉を知ったのも実は転職サイト。「もう、こんなサイボーグ生活やだ!アメリカに戻ってやるーっ!イーッ!」とアメリカの転職情報サイトを見ている時に、Web Developerなどの職種に混じって「Information Architect」というのを見つけ、それのJob descriptionを読んでいる時に、「そうそう!私がやりたいのはこういうこと!」と見つけたという。。。
そんなわけで、こういうことがIAなんだな、IAについてもっと知りたいな、と思ったのは実は現場を退いた(?)後だったりするのですが、いざ勉強したいとか思っても、どうやったら学べるのか、どんな本読んだらいいのか、誰に聞いたらいいのか、色んなことが分からなくて停滞していた時期が長く続きました。でも、ちょっとしたきっかけで、その辺りへの感度が高くなった気がします。それって多分、Webだけじゃなくリアルな世界も絡めたexploratory seeking(探索的な情報の探し方)ってことなんでしょう。
私自身は今はディレクターでもIAでもありませんが、毎日IAと呼ばれる人たちと一緒に働き、Webの中でもIAやUXやHCD分野に深く関わっているところに身を置いています。そういうわけで、最近IAに興味持ってとっかかりを探している人のために、私が読んだ本や、勧められた本、職場などで話題に上るもの、なんとなく参照しているブログやサイト、各種団体など、思いつく範囲でコピペしておこうかと思います。
が、長くなったので、このエントリーはここまで(おいっ!)
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(2008/7/16 03:26追記)
「IAを学びたい方へ2(IAレファレンス)」というエントリーで、本やサイトなどを少し紹介しています。随時追加していきます。
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