先日とあるパーティで知り合ったチームラボの方に、「ちょっとした面白いもの」ということで頂いたのがこちらの本。
ネットマイルを通じ、約3万人に持ち物や嗜好に関する調査を行い、その結果をデータベース化した「ブランドデータバンク」を活用して、特定のブランド所有者(または好む人々)の特徴を、プロファイリングとしてまとめている。
データを視覚的にグラフ化しただけでは、堅苦しいものになっていただろうけど、この本は「ユニクロな人」「アバクロな人」「BMW 3シリーズな人」「Googleな人」といったように、チョイスする物やサービスなんかを切り口にしていて、それぞれにグルーピングされた人が、その特徴を表すイラストで描かれ、また、そのグルーピングされた人は、他の持ち物ではどのようなブランドをチョイスしているかがわかる「特徴ブランドリスト」とともに掲載されている。
最初から順番にページをめくって読むのもよし、自分が好きなブランドの項目から読むのもよし、気軽にぺらぺらっと読める1冊。「○○な人」で見開き2ページなのも見やすい。
「服」のカテゴリーでは、「ユニクロな人」「ギャップな人」「アバクロンビー&フィッチな人」がラインナップされてるんだけど、私と旦那さまはアバクロを好んで着るので、「アバクロンビー&フィッチな人」から読んでみた。アバクロな人の持ち物から読み取れる特徴を読んでいくと、「バッグ、時計、靴などでは、ハイファッションブランド、ストリートブランドの人気が圧倒的であり、ショップでもビームス、バーニーズニューヨークが高い人気を誇っている」とある。なるほど、確かに。私も旦那さまもかなりの頻度でバーニーズでお買い物するし、特に旦那さまの普段着は基本的に、DIESELかドルチェアンドガッバーナ、D&G、スーツはセオリーやポールスミスあたりなので、ハイファッションブランドと言えるだろう。
「車」のカテゴリーでは、「プリウスな人」「オデッセイな人」「日産スカイライン」「BMW 3シリーズな人」があり、シリーズは違うけど、まぁ一番近いところで「BMW 3シリーズな人」を見てみると、特徴ブランドリストの靴にコールハーンが挙げられている。まさに!
というわけで、傾向分布としてはかなりいい感じの精度なのでは?と思ったりしつつ、まぁ、一通り全部読んでみた結果、私が思うことは、個別の「○○な人」単位で見れば特徴を捉えているように見えるけど、全体的に見ればかなり平均化されているということ。
セグメント間で挙げられているブランドの重複がとても多く、表に出てくるブランド名自体がかなり少ないからそう感じるんだけどね。
ちなみに、この3万人のデータの全体平均は、
平均年齢40.0歳、平均世帯年収674万円、平均個人年収345万円、平均お小遣い3.92万円
となっている。ちょっと平均年齢高いんだよねー。
「プリウスな人」の平均年齢が46.9歳とか「BMW 3シリーズな人」が45.5歳とか、感覚的にちょっとずれてる気がする。。3シリーズとかだと30代前半じゃん?と思っていたので。ま、それを言ったら、「明治 きのこの山な人」が37.8歳だから、やっぱりそもそも母集団の平均年齢が高いという時点でかなり偏ったデータな気がするなぁ。。
その他気になった点としては、みんなけっこう堅実な消費生活を送ってるんだなーということ。30代後半とかでもユニクロをチョイスするのか。。とかね。もちろん、ユニクロがダメだということではなく、平均年収とかそんなに高いわけでもないし、ユニクロはそれなりにデザインと価格と機能のバランスも取れていると思うから、まぁ、普通にユニクロとかギャップとかをチョイスして当たり前なんだけど・・・。お小遣いもけっこう少ないみたいだし。。こういうのを見ると反省するなぁ・・・。うち、どう考えても使い過ぎなんだよなー。。欲しいものを欲しい時に買う、という癖がついてしまっていて。ちょっとは節約とか倹約とか、頭の片隅に置かなくては!
一方、「資生堂ツバキな人」は、シャンプーはドラッグストアで買えるブランドなのに、バッグはディオールにエルメスにグッチですが・・というところにアンバランスさや日本っぽさも感じたりもする。10代の普通の学生がプラダのバッグを持ち歩いてるような国ですからね〜。
ちなみに、私はこの本で偶然「ローリーズファーム」というブランドを知ったのだけど、今日たまたま代官山を歩いてたら、ローリーズファームの路面点があったので入ってみた。まぁ、10〜20代のコ向けと思われる若い感じのお店で、素材なんかも上質さや高級感とかはない。その代わり、むちゃくちゃ安い。その上、コーディネートしやすいデザインで、トレンドも取り入れているので、長く大切に着るというよりは、ヘビーローテーションで日常的に着るのに良さそう。あまりの安さに、つい、三十路の私もパフスリーブのカットソーを色違いで2枚と、襟と袖にちょっとしたゴールドのコットンレースのついた「ババシャツ」と、ジャガードストールを買ってしまった。これだけ買っても
10,000円しないんだから優秀なものだ。
3万人というそれなりのサンプルを取っていても、マーケティングデータとして信憑性どうの、という感じでもないので、心理ゲームとか相性診断とか血液型の本のように一時的に盛上がるためのプロップとして、友達やカップルや家族で読むっていうのがいいのではないでしょうか。
データからパターンを明らかにし、ビジュアル的にわかりやすく表現し、感覚的に「そうそう!」と共感を呼び起こすものとしては成功していると思います。
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