今日は銀座のアップルストアで行われたCSSNiteに行ってきました。
ロフトワークの林千晶さんと富士通の髙橋宏祐さんの共著『Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す』の出版記念的なイベントでした。
千晶さんの講演では、本の中で千晶さんが担当された、PMBOKの基本部分についてのエッセンスが話され、また髙橋さんの講演では、髙橋さんが担当された、PMの資質的な部分に関する要点が話されました。
本を読んで、そして講演を聞いて思ったことは、マネジメント(管理)というと、ルールでがんじがらめにされる、あるいは統制下に置かれるというようなイメージがあるけれど、PMBOKをベースとしたプロジェクトマネジメントは、体系化された9つの知識エリアでガチガチに固めてしまう融通の効かないものではなく、むしろ柔軟性のスキルであるということ。計画は大事だけどプロジェクトが最後までその計画通りに進むことはあまりないし、計画通りに進めることが本来の目的でもないので、生じる変更に対して柔軟に対応できるようになるためのスキルだな、と。
また、柔軟に対応できるようになるためには、技術やノウハウを知っているだけではダメで、コンピテンシー(行動、振る舞い、判断力)を磨いて、実行力を高めることが大事で、実行できるかできないかがカギだ、ということも、髙橋さんの話の中でありました。つまり、「知る」「分かる」「できる」の3つが揃ってこそ、ということ。
多分、PMBOKやプロジェクトマネジメントを勉強していなくても、多少規模の大きいWebサイト構築(どちらかといえばWebアプリケーション開発)とかに携わったことがある人なら、状況の要請から、PMBOKで定義されているようなプロセスやアウトプットについては、感覚的にできているような気がするので、特にPMBOKをクリエイティブの現場に持ってきました、と言われても目新しさ感はないと思うんだけど、チラシ的(または雑誌編集記事的)ホームページ、といったWebプロジェクトしかやったことがない、という人にとっては、新しいと思える内容なのかも。
フレームワークとしてPMBOKを知っているに越したことはないけど、とはいえ、プロジェクトをマネジメントできることと、Webを作れるかどうかはまた別問題だし、プロジェクトマネジメントはエンドユーザーにとってはどうでもいいことなわけなので、プロジェクトマネジメントが完璧にできたとしても、プロジェクトが成功する、ユーザーの満足度が上がる、とは限らないっていうところが罠って思いました〜ww
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